「捜査二課です」と名乗る連絡が来たとき、最初に疑うべきは“次に何へ誘導するか”です。警察官をかたる詐欺は、電話だけで終わらず、SNSのメッセージやビデオ通話へ移し、相手のペースで圧をかけてきます。実際、警視庁は「警察官がSNSやビデオ通話で連絡を取ることはありません」と明確に注意喚起しています。
参考:警察官等をかたる詐欺の典型(SNS誘導・ビデオ通話・警察手帳提示)
https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kurashi/tokushu/police_officer.html
特に近年は、次の“セット台本”が強いです。
この流れは、警視庁の説明にもあるとおり「あなたは逮捕される」などと不安をあおり、資産状況を聞き、SNS等へ誘導し、最終的に振り込みを求める構造です。
重要なのは、会話の内容が“それっぽい”ほど危険になる点です。詐欺側は、専門用語(資金洗浄、家宅捜索、内線、担当部署)を混ぜ、被害者が「知っている=本物」と誤認するよう設計します。ここで一度でも個人情報(氏名、生年月日、住所、口座、残高、勤務先)を渡すと、以後の脅しが具体化し、断りにくくなります。
見抜くための現実的なコツは、内容ではなく“連絡手段”と“要求”で判定することです。
警視庁は、警察官がSNSで連絡しないこと、警察手帳や逮捕状の画像を送らないこと、そして金銭を振り込ませる要求が詐欺の典型であることを示しています。
逮捕状は本来、強制処分の根拠となる重要書類で、「見せられたら従うしかない」と感じやすい道具です。そこを逆手に取り、犯人は“逮捕状っぽい画像”を見せて主導権を奪い、反論の余地を消してきます。警視庁も、詐欺の手口として「警察手帳」や「逮捕状」を見せるケースがあると注意喚起しています。
ここで押さえるべきポイントは、「画像で見せる」こと自体がトリックの中核だという点です。画像は、フォントや朱印、レイアウトを真似れば簡単に“それらしく”作れますし、ビデオ通話なら照明やピントで粗を隠せます。さらに、番号偽装が組み合わさると「代表番号からかかってきた」+「逮捕状を見せられた」で、思考停止が起こりやすくなります。
国警察庁も「警察官をかたる特殊詐欺」の確認された手口として、実在する警察署等の電話番号を偽装して表示させたうえで、SNSのビデオ通話等で警察手帳を示し、口座の資金確認を理由に振込をさせる事例を示しています。
参考:番号偽装+ビデオ通話+警察手帳提示+振込要求の具体例
https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/sos47/new-topics/250325/01.html
「逮捕される」と言われた瞬間にやるべきことは、言い返すことではなく“通信の切断と経路の切替”です。心理的に最も効果があるのは次の順番です。
国警察庁は「相手方から教示された番号には、決して折り返さないでください」と明記し、警察相談専用電話(#9110)への相談を促しています。
「末尾が0110だから本物」と思い込むのは危険です。警視庁は、着信画面に警視庁代表電話(03-3581-4321)や末尾(0110)の警察署代表番号を“偽装表示”させ、警察官からの電話と信用させる手口があると注意喚起しています。つまり、表示された番号が“警察の番号に見える”こと自体が、安心材料にはなりません。
このタイプの詐欺で巧妙なのは、相手が「今この電話は録音している」「守秘義務がある」「捜査情報だから漏らすな」と言い、第三者への相談を遮断する点です。相談が遅れるほど、被害者は孤立し、相手の世界観(あなたは容疑者、今すぐ資産を守る必要)に閉じ込められます。だからこそ、警視庁が言うように「まずは、落ち着いて一旦電話を切り、家族や知人に相談してから折り返す」という行動が強力です(ただし折り返し先は自分で確認した番号)。
実務的な確認テンプレも用意しておくと、緊急時に強いです。電話を切らずに粘るほど危険なので、短い定型句で終わらせます。
そして、警視庁自身も「所属、担当部署、氏名、内線番号」を確認し、最寄りの警察署に連絡するよう案内しています。
加えて、国警察庁は「警察官が、電話で捜査対象となっているなどと伝えることはありません」と明示しています。ここを“合言葉”にすると判断が速くなります。電話口で「あなたは捜査対象」「口座が犯罪に利用」と言われた時点で、内容の真偽以前に詐欺として扱い、手順に切り替えるのが安全です。
被害を避ける対策は、「疑う」より「仕組みで遮断する」ほうが確実です。国警察庁は、詐欺だと気づいたら電話を切って警察相談専用電話(#9110)へ相談すること、相手が教えた番号に折り返さないことを具体的に示しています。これを、家庭内のルールとして固定すると再現性が上がります。
今日からできる対策を、優先度順にまとめます。
国警察庁は、固定電話で国際電話の発着信を無償で休止できる申込み先(0120-210-364)も示しており、仕組みで入口を減らす対策が現実的です。
参考:警察相談専用電話・折り返し禁止・国際電話の遮断など対策の要点
https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/sos47/new-topics/250325/01.html
また警視庁は、警察官を装う詐欺が激増していること、番号の偽装表示があることを前提に「通話内容に不審な点があれば、最寄りの警察署、交番へ通報」としています。情報提供や相談の導線を“警察側が用意している”ので、焦って相手の指示に従う必要はありません。
ここで意外と盲点なのが「スマホだから安全」という思い込みです。実際は携帯電話あてにかかってきてSNSへ誘導する、と警視庁が説明しており、若い世代でも“口座・暗号資産・ネットバンク”が絡むぶん被害が大きくなるリスクがあります。対策は年齢ではなく、デバイスと決済手段の現実に合わせて設計するべきです。
検索上位の記事は「電話を切れ」「折り返すな」「SNSは詐欺」と正しい結論に寄りますが、現場では“切れない人”が一定数います。そこで独自視点として、切れない状況でも主導権を取り返す「質問チェック」を用意しておきます。これは、相手の台本の弱点(答えにくい点)を突いて、こちらが会話のルールを再設定する方法です。
質問は3つだけに絞ります。長いと丸め込まれます。
警視庁は「所属、担当部署、氏名、内線番号」を確認するよう促し、警察官がSNSやビデオ通話で連絡を取ることはない、としています。つまり、上の質問に詰まる時点で“警察の運用から外れている”可能性が高いわけです。
次に、相手の反応パターンで判定します。
国警察庁も、警察官が電話で捜査対象だと伝えることはない、と断言しています。ここを根拠に、会話の途中でも「警察相談(#9110)へ切り替えるので失礼します」で終了して構いません。
最後に、被害が疑われる場合の“やること”も先に決めておくと強いです。
詐欺は「証拠がない」と諦めがちですが、通話履歴、着信表示、SNSのログ、振込記録は、後から状況を説明する材料になります。焦りの中で削除すると、相談の精度が落ちるので“消さない”のがポイントです。